【日本コピペ紀】「パクリ箇所は歴史的事実ではなく著作権侵害に当たる」と宝島出版編集部が断言!【『「アベ友」トンデモ列伝』】

徐々に問題視されていく著作権法侵害問題

百田尚樹『日本国紀』が刊行されて一月半ほどたち、徐々にですがコピペ問題が書店に置かれる書籍の中でも触れられるようになってきました。

今回紹介するのは『「アベ友」トンデモ列伝』(宝島社, 2018)です。

本書は、その名の通り、安倍晋三首相の周りにいるメンバーを取り上げ、その問題点を指摘していく内容です。百田尚樹氏も「「日本人の美徳」を毀損する百田尚樹ベストセラー『日本国紀』パクリ疑惑」(文/別冊宝島編集部)という章で取り上げられ、タイトルにある通り『日本国紀』のコピペ問題が詳しく取り上げられています。

そこで書かれている情報は、これまでネットで騒がれていることを纏めたに過ぎませんが(一応ネットで騒がれていること、および当ブログへのメンションがあります)、それでも商業出版物のなかにこれが記録されたことは大きな一歩でしょう。

百田氏のパクリ箇所の一致は「歴史的事実」だからではない

この記事のなかでパクリ問題は内容以前の問題とされ、ウィキペディアからのコピペを認めた百田氏については、その後の居直りも含めて厳しく批判されています。

そして百田氏の「パクリ」と「歴史的事実」の関係について次のように説明しています。

百田氏は、パクッた部分を「誰が書いても一緒だ」と述べているが、そんなことはない。たとえば「1582年に本能寺の変が起きた」といった本当に創作性がない文章だけであれば良いが、歴史的事実を説明するにせよ、普通は言葉や表現ぶりが選ばれるわけだから、同じ趣旨のことを書こうにも、文章がすべて逐語的に一致するはずがない。

このようにパクリ箇所の一致が「歴史的事実」だからではないと断言されている点は重要でしょう。

仁徳天皇の逸話

そして、数あるコピペ箇所の中で特に取り上げられるのは「仁徳天皇」の逸話です。この逸話は『大阪新聞』に真木嘉裕氏が寄稿したものを、『日本国紀』がまるまる1ページに渡ってコピペ改変していました(参考記事)。

このコピペ改変については、著作権侵害にあたると次のように断言されます。

百田氏もさすがに「偶然の一致」と言い張ることはできないだろう。仮に言い張ったとしても、著作権者が権利侵害を訴えれば間違いなく認められるはずである。

なお、この「仁徳天皇」の箇所は『日本国紀』第5刷で大幅に修正され、 真木嘉裕氏からの剽窃であったことを著者本人が認めました(参考記事)。

しかし、この修正があったとしても「著作権侵害が消えるわけではない」と次のように指摘されています。

これは『日本書紀』を真木氏が翻訳した内容をほぼ転載しているわけだが、それならそうと「引用します」と断ったうえで正規の引用プロセスを踏むべきだった。これは後から「実は引用した」と説明しても、著作権侵害が消えるわけではない。

上記の一文は、第5刷で修正が入ったことを知らない状態で書かれていたと考えられ、修正の可能性を予言していたという点で鋭い推理と評価できます。

まとめ

以上、『「アベ友」トンデモ列伝』(宝島社, 2018)の記事「「日本人の美徳」を毀損する百田尚樹ベストセラー『日本国紀』パクリ疑惑」(文/別冊宝島編集部)の要点をまとめれば次のようになります。

  • 『日本国紀』がパクった箇所は「歴史的事実」ではない。
  • 著作権者が権利侵害を訴えれば間違いなく認められる。
  • 後から修正を入れたとしても、著作権侵害が消えるわけではない。

この三つの論点は、今後の『日本国紀』の評価を占う上でとても重要になるでしょう。

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5 件のコメント

  • × 刊行された一月半ほどたち
    ○ 刊行されて一月半ほどたち

    × 数あるコピペ箇所の中でなかで
    ○ 数あるコピペ箇所の中で

    × 著者人が認めました
    ○ 著者本人が認めました

    のほうがよろしいかと。
    あと引用元(原文のままなのかもしれませんが)に読点は無いのでは。

    × それ、ならそうと
    ○ それならそうと

    「著作権侵害を訴えれば間違いなく認められる」という別冊宝島編集部の見解は “かんしゅうしゃ”谷田川氏とは正反対ですね。常識・良識がある人なら当然 宝島側に軍配を上げると思います(笑)

    • 感謝感謝!ありがとうございます。
      谷田川氏のあの自信満々度はなんなんでしょうかね(笑)
      保守論壇の底が知れるような人でしたね~(笑)

  • ん? 本文中のタイプミスを修正した反動か、記事タイトルがおかしくなってますね。
    >著作権侵害に当 《刊行された一月半ほどたち》 たる
    《 》部は余計かと

  • 「著作権侵害にあたる」と言っていますが、訴えている者はいるのでしょうか?
    訴えている者がいないとしたら、その理由は何なのでしょうか?
    訴えても勝ち目がないからなのでしょうか?別冊宝島編集部は一部の意見です。

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