【トンデモ】腎臓病は電磁波のせい!?解決策は「古き良き日本の生活」(『肝臓をいじめないで!!』美健ガイド社)

美健ガイド社のトンデモシリーズ

「美健ガイド社」の出している漫画シリーズは、「古き良き日本」の生活様式を取り戻そうとする保守運動の一つの有り方を示しています。

現代的なもの、非自然・天然的要素、欧米的要素は滅多打ち!でおなじみの美健ガイド社トンデモシリーズ。

「戦前の暮らし、自然・天然、日本って言葉が大好き!」と言う気持ちがひしひし伝わってくる作品群は圧巻ですね。

今回取り上げるのは『肝臓をいじめないで!!』(美健ガイド社, 2014)です。

専業主婦へのディス

トンデモシリーズは、その始まりにワクワクしますね。

今回、頻尿のお父さんが主役のようです。

「ものぐさ」と呼ばれたのが奥様のようですが、こんなに溜まるまでお父さんも気がつかなかったんでしょうかね。

もう一つ気になるのは「ものぐさ主婦」表現。

この「二度寝しよ」の前にお父さんと娘さんを家から送り出す「いってらっしゃ〜い」描写があります。

お父さん、その時にゴミ出しをしたらいいんじゃ……

夜中にガチ切れして拳握りしめるより、健康に良いと思いますね。

ストーリー的にはこのゴミ屋敷が、機能低下した腎臓のたとえになるようです。なんですが、「勝手な理想の専業主婦」から少し外れたら、ここまで悪意ある描き方ができるってのはツヨイですね。

なんと河童が登場!!


お父さん、会社帰りに尿意が我慢できない模様。この辺は、割とガチな悩みですよね。

でもトイレを探すこともせず、割と早めに「立ちション」という選択を選ぶあたり、スピード感を大事にする美健ガイド社の良さが出ています。

河童が出てきます。なんか、河童くらいで驚いていたら先へは進めんぞ、っていう感じですね。

だって腎臓も出ちゃうし。

腎臓の精だそうです。ごく自然に物語に入ってきた河童と腎臓の精により、お父さんの未病が発覚。

頻尿の理由は腎臓がボロボロなせいとわかりました。

洋食は腎臓機能を悪化させる!?

「河童アドバイス」が始まります。ここからが美健ガイド社の腕の見せ所!

ここまでは常識的ですね。よくわかります。

乱れた食生活や生活習慣は万病のもとです。

しかしその具体的内容になると……

でた!!一方的な欧米ディス!

食べ過ぎ」とか「偏った食事」が腎臓病の原因なのではなく、「欧米風の食事」が原因だと力説する河童。

和食なら腎臓病にならないとでも言いたいのか。(おそらくそう言いたいんだろうけど!)

アレも腎臓機能に悪影響!?!?

生活習慣についてはトンデモ界でおなじみのアレが……

運動不足」「ストレスだらけの生活」「運動不足」といった常識的に理解できる要因の中に紛れて「冷暖房に頼った生活」、さらに……

電磁波だらけの環境」!

きました、電磁波!

こういったトンデモな読み物を読み続けていると、どうしてか「電磁波」という言葉に胸が熱くなってしまいます。

電磁波だらけの現代社会……そのせいで腎臓病が増えたなんて話は聞いたことありませんが、河童が力説するんだから仕方ない。河童界ではそうなんだろう。

冷暖房に頼ると腎臓機能が下がるというのも頼りない見解です。最近では学校などにもエアコン等を入れる時代だと言うのに……。

極端な暑い寒い環境のなかよりも、代謝に適した気温下のほうが腎臓機能も高まると思うのですが。

河童は水の中で暮らしているので、まあ、そう言う文化の違いとかあるのかもしれないよね。

食塩へのディス!「Na『c』l」が登場!!

食習慣、生活習慣の改善をサポートする河童が、さらに色々と教えてくれますよ!

」とは何か?「食塩」とはなにか?

そもそも「塩」(食塩)とは「塩化ナトリウム」のことだと思うのですが。

むしろ「塩化ナトリウム」 という化学物質(?)が入っていない「天然塩」などというものが存在するのでしょうか? しょっぱくない塩ということになります。

作中「塩化ナトリウム(Nacl)」というのは誤記で、「塩化ナトリウム(NaCl)」 と記述しなければなりません。それとも新しい化学物質でしょうか。

著者・編者たちの知識の底が知れれてしまう好例ですね。

とは言え、揚げ足をとってばかりでもアレなので、頑張って作者の気持ちを汲み取ろうと思います。

おそらく、「塩」とは「ミネラル込みの塩化ナトリウム」であり「純粋な塩化ナトリウム」ではない。純粋な塩化ナトリウムを摂取すると死ぬ。と言いたいんだと思います。

皆が知りたかった!腎臓によい食習慣

続いて腎臓に良い食習慣と生活習慣を教えてくれます。

自分の住んでいる土地の食べ物」という言葉、ゾクゾクしますね。

地産地消は悪くないと思いますが、この本で言いたい事は多分そんな事じゃないんだ。

和食!和食が一番!

一言でまとめると『和食にすれば間違いなし』

この美健ガイド社では腸の長さなどを理由にして、その人が住んでいる土地の伝統的な食べ物をとるように推奨します。もちろん日本人には和食が一番。

日本に生まれて良かった!」の一言が、胸に刺さります。

この本、本当は言いたい事これだけじゃない?

まあ、それはさすがに、私の邪推かもしれませんが、この言葉を聞いて思い出すのは

神社本庁のポスター

なのですが実は中国のモデルさんらしいですね。

腎臓によい生活習慣!

続いて腎臓によい生活習慣。

電磁波を発生する家電を減らす

規則正しい生活、ストレスフリー、適度な運動、電磁波を減らす

無理やり自然な感じに電磁波を出してくるから驚くじゃないか。二度見してしまうじゃないか。

ホントに和食、自然塩にして電磁波を減らせば「腎臓機能の改善」に繋がるのでしょうか?河童の言う事は難しくて少しわからないですね。

ところで日本の伝統食は塩分が多いと言われていますが、それでも日本の伝統的和食が何よりもいいと言うのでしょうか?

最後に読者にたくさんの疑問を残して終わる、考えさせられる本でした。

大変味わい深い、美健ガイド社のトンデモシリーズです。

【トンデモ】シャンプーで不妊や奇形児に!?嫌なら米のとぎ汁で髪を洗え!!(『経皮毒:シャンプー・リンス篇』美健ガイド社)

2018.12.16

【トンデモ】TVゲームが脳を汚染する(『麻薬より怖い!?脳毒①』美健ガイド社)

2018.11.30

【トンデモ】米と魚さえ喰わせればイジメ・非行・暴力が無くなる(『奇跡の食育:給食を変えたらイジメ・非行・暴力が無くなった』美健ガイド社, 2014)

2018.11.09

2 件のコメント

  • タイトル、書籍名のミス。肝臓でなく腎臓。
    本と呼ぶのもはばかるトンデモ相手でお疲れと思いますが、無理せず頑張ってください。

  • コメントを残す