【失笑】都市伝説「マッカーサー神社」を真剣に語る【百田尚樹×櫻井よしこ】

マッカーサー神社

前回、百田尚樹『日本国紀』において、「マッカーサー神社」が「マッカーサー記念館」の蔑称であると知らず、本当の神社であると誤解されている点を指摘しました。

このマッカーサー記念館の建設発起人の中に当時の朝日新聞社長も名を連ねていたため、現在では「朝日新聞は神社をつくり、そこにマッカーサーを祀ろうとしていた」という都市伝説だけが独り歩きして、朝日新聞叩きのネタに使われることがあります。

つまり百田氏は、この都市伝説を鵜呑みにして、『日本国紀』に次のように書いてしまったわけです。

呆れたことに、この時、マッカーサーをご神体に据えた「マッカーサー神社」を作ろうという提案がなされ、その発起人に当時の朝日新聞社社長の長谷部忠が名を連ねている(毎日新聞社社長、本田親男の名前もある)。朝日新聞にとって、ダグラス・マッカーサーは現人神だったのであろう。

百田尚樹『日本国紀』幻冬舎, 2018, p. 433(第5刷)

DHCテレビ

ファンの方々の中には、流石にこんな初歩的な間違いしないだろう、何らかの高度なレトリックだろうと信じる人もいるかもしれません。しかし、百田氏は本気でこの都市伝説を信じてしまっている動画が見つかりました。しかもその対談相手が、保守界の女王・櫻井よしこ氏ですからこれはもう溜まりません。1:36:34あたりから是非どうぞ。下に重要箇所を書き起こしてあります。

重要箇所の書き起こし

*相槌などは書き起こさなかった。また太字は重要箇所、文意を明瞭にするための()や〔〕は補いである。

百田 なんと、また驚くことにですね、これもまた歴史の闇にこう今消え去っているんですが、また私が今回、日本〔国紀〕の中で掘り起こしたんですが。えー、「マッカーサー神社」を造ろうとしたんですよ(ドヤッ)

櫻井 マッカーサー神社?

百田 笑うでしょ。

櫻井・居島 笑えますねぇ(笑)

百田 マッカーサー神社ですよ。

百田 この時の発起人の中に当時の朝日新聞の社長の名前があるんですよ。長谷川忠。毎日新聞社の社長の名前もあります。

櫻井 〔これらはの発起人は〕マッカーサー神社を造るのに。

百田 まぁ結局できませんでしたけどね。でも発起人の中に、そういう名前が連ねているんです。

居島 連ねていたわけですよね~(納得)

百田 日本は元々、あー、そのー、…人を神社に祀るということはよくあります。ご神体とかね。よくあります。祀ることはね。ただしね、皆死んでいる人ですよ。皆亡くなった人ですよ。

居島 亡くなった人ですよね。

百田 ところがまだ生きている人を(笑)

櫻井 まだ生きてる人を、生き神さまみたいにして(笑)

百田 だからね、朝日新聞にとっては〔マッカーサーは〕現人神だったんですよ

櫻井 そうなんだよね~。

居島 そうですよね、天皇陛下以上にね、ある意味で。

百田 そう


【DHCテレビ夏祭り】8/7(火) 百田尚樹×櫻井よしこ【虎ノ門ニュース】1:36:34~

とんでもなく恥ずかしい対談

生身のマッカーサーを祀る神社の計画など当初から無かった事実が明らかとなった今では、この対談はとんでもなく恥ずかしいものです。

しかも対談中に百田氏は、「マッカーサー神社」について、歴史の闇に消え去っていたものを私が掘り起こしたなどと述べていますが、この対談が行われる前からWikipediaにすらこの情報は載っています。いったい百田氏はどこから発掘したのでしょうか?

本当に、せめてWikipediaをよく読んでコピペしていれば、Youtubeに恥さらしの動画を残すことも、『日本国紀』に失笑ものの記述を犯すこともなかったのに、と思えてなりません。

*この動画は本記事執筆時点でまだ公開中ですが、ここまで恥ずかしいと早々に削除されることが予想されます。ぜひ早めにご視聴ください。

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23 件のコメント

  • 直接的でも間接的にでも、どんな方法でもいいんですが、これに関しては居島氏や櫻井氏の名誉の為にも、お二方には客観的な事実関係と、百田氏が言っていた神社や現人神云々は単なるデマで妄想だときちんと伝えてあげた方がいいような気がします。話の流れから言って、お二方はこの話自体を百田氏経由で初めて知ったような印象を受けますし。

  • 今気が付いたんですがこの一連の発言、「朝日新聞」や「毎日新聞」を「秩父宮御夫妻」に置き換えると、百田氏って皇室に対して思い切りヘイト感情ぶちまけてる事になりませんかね? 百田氏は「笑える」とか「呆れた」程度の表現に留めていますが、その先には確実に「日本人にあるまじき売国奴」というレッテル張りの意図が潜んでいると思います。

    櫻井氏や居島氏も秩父宮御夫妻の関わりを事前に知っていた上で「笑えますね」と言い放ったようにはとても思えない。兄君の昭和帝も秩父宮の動きはご存知であったかもしれないんですから。やはり、事実関係はちゃんとお二人に伝えた方がいいと思います。皇室も直接関わっていた事業と知っていた上で、「笑える」とか「呆れた」とかまだ言えるのですか、と。

    • ちょっと百田氏には(これ以外の箇所も含めて)皇室への敬意が感じられませんね。もちろん思想の自由はありますので、「敬意を払わなければならない」ということはないと思いますが。

  • 米粒写経は完全に居島一平がサンキュータツオの足を引っ張ってるよなぁ…。ほんと虎8見る度サンキュータツオが不憫で仕方ない

  • >匿名 2018年12月10日 6:34 PMさんへ
    >匿名 2018年12月10日 7:05 PMさんへ

    確かに櫻井・居島両氏は百田与太話の ある意味被害者かもしれませんが、それは「不勉強だったから」に尽きるでしょう。それこそ「自業自得」てやつで。
    この巻き込まれ事故に遭ったのが市井の普通の人なら責めない馬鹿にしない。でも櫻井氏は、戦後のGHQ統治下のことをこれまで幾度となく論じてきたRONKYAKU!ですよね曲がりなりにも。また、「朝日がデマ報道で自虐史観を植え付けた」など散々主張し、他者をデマと批判してきた。
    お三方とも、参加の仕方は違えど「日本の近現代史」というフィールドで仕事をし、他者への影響力も大きくお持ちなのだから、デマに引っ掛からない程度には勉強してくれてないと困ります。そんな立場の方々の名誉を守ったり不敬に当たらないか心配する必要を感じません。
    むしろ、己の専門分野で事故ってる姿を晒しておいて頂いたほうが、デマや陰謀論に取り憑かれやすいのはどちらか誰なのかを第三者が見出せる良い機会だと考えます。そして動画中の櫻井氏らの姿は、『日本国紀』信者さんたちにとっては 【自らを映す鏡】 としてきっと有効に働いてくれるのではないでしょうか。

  • マッカーサー神社」が「マッカーサー記念館」の蔑称であると知らず、本当の神社であると誤解されているーとコメントされていますが、

    それは、ちょっとちがうでしょうね。「GHQのマッカーサーが、敗戦後の日本社会において、どういう存在だったのか」を示す最の、一種の「レトリック」でしょう。
    「都市伝説」ということばの方が、あいまいで無意味です。

  • 「マッカーサー神社」をネットで調べましたが事実のようです。事実を事実でないと批判するのは良くないです。論壇ネットさんは毎回なのですが、本当に不勉強です。ネットで「マッカーサー神社」を検索したら、
    ”半藤一利の『ぶらり日本史散策』(文藝春秋)を読んでいたら、マッカーサー神社のことが記されていた。
     1951年、マッカーサーが解任された。『朝日新聞』社説は、「マッカーサー元帥を惜しむ」などという社説を載せた。
    吉田茂内閣は、彼を「終身国賓」とする、国会は「感謝決議文」をだす、「名誉国民」にし、銅像を建てようという募金活動が始まり、なんと「マッカーサー元帥記念館」、仮称マッカーサー神社を建立しようという計画がだされた。”というのがありました。
    百田さんが正しいと思います。

      • ウィキペディアには、
        ”日本でもマッカーサー解任前後に「マッカーサー記念館」を建設する計画が発足した。この建設発起人には秩父宮、田中耕太郎最高裁判所長官、金森徳次郎国立国会図書館館長、野村吉三郎元駐米大使、本田親男毎日新聞社長、長谷部忠朝日新聞社長ら各界の有力者が名を連ねていた。この施設は「マッカーサー神社」と呼称されていることがあるが、この計画は、マッカーサー在任中から「ニュー・ファミリー・センター」という団体が計画していた「青年の家」という青少年の啓蒙施設の建設計画を発展させたものであり、「元帥の功績を永遠に記念するため、威厳と美しさを備えた喜びと教養の殿堂にしたい」という趣旨の下で、記念館、公会堂、プール、運動施設、宿泊施設を整備するものであって、特に宗教色のない計画であった。”とありました。
        「マッカーサー神社」は事実のようです。

  • ネットで「マッカーサー神社」を検索すると、
    ”半藤一利の『ぶらり日本史散策』(文藝春秋)を読んでいたら、マッカーサー神社のことが記されていた。1951年、マッカーサーが解任された。『朝日新聞』社説は、「マッカーサー元帥を惜しむ」などという社説を載せた。
    吉田茂内閣は、彼を「終身国賓」とする、国会は「感謝決議文」をだす、「名誉国民」にし、銅像を建てようという募金活動が始まり、なんと「マッカーサー元帥記念館」、仮称マッカーサー神社を建立しようという計画がだされた。”というのがありました。

  • マッカーサー神社は「事実でした」とか、計画があったことは「事実」と報告コメしてる人って、失礼ながらバカなの?

     ・ マッカーサーの名を冠した施設の建設計画があった
     ・ 仮名称は「マッカーサー記念館」
     ・ 当時の世相を風刺してか「マッカーサー神社」と呼ぶ人もいた
     ・ 計画の実際は総合レクリエーション施設とでも言うべきもの
     ・ 計画は実現しなかったが募金等も行われていた

    つまり、「マッカーサー神社」という呼び方をしていた人はいたが宗教的機能を持った「本物の神社」を造る計画では全くなかった。

    (ここまでは前提。以下、本記事内容)

    ところが百田尚樹氏は、御神体を祀ったりする【本物の神社】と勘違いして当時の朝日新聞社長を嘲笑(発起人には皇族の方もいるのに……)。しかも、先人が既に著している古いネタなのに「私が今回、日本〔国紀〕の中で掘り起こした」などと得意げに語っている。ゆえに → 失笑 。

    ……という論旨・話だということぐらい読んで解りますよね。普通。

    • ” 仮名称は「マッカーサー記念館」
       ・ 当時の世相を風刺してか「マッカーサー神社」と呼ぶ人もいた”
      ではなく、
      ”吉田茂内閣は、彼を「終身国賓」とする、国会は「感謝決議文」をだす、「名誉国民」にし、銅像を建てようという募金活動が始まり、なんと「マッカーサー元帥記念館」、仮称マッカーサー神社を建立しようという計画がだされた。”となっています。
      事実確認をお願いします。

      • 事実確認も何もないでしょう(笑)
        >「マッカーサー元帥記念館」、仮称マッカーサー神社を建立しようという計画がだされた。
        これは半藤一利氏の著書『ぶらり日本史散策』からの……というよりこのブログからのコピペだと思いますが、
        https://blog.goo.ne.jp/hamanashigaku/e/f7533fe1406a127102e71ae234f1aaf0
        計画施設名がマッカーサー神社だったとは書かれてませんよね?上の文では「記念館」がカギ括弧で括られ強調されてますので、《正式名称=「元帥記念館」・俗称=神社》 と言ってるように思うのですが。

        仮に半藤氏が正式名称=「神社」で「計画がだされた」と本気で言っているならそれは誤りでしょう。
        本記事 冒頭に次のようにあります、この「前回」記事は確認されましたか?
        >前回、(中略)誤解されている点を指摘しました。
        https://rondan.net/6648
        この前回記事にあるように、計画されていた施設内容・設備から考えても「神社」という名称が掲げられていたとは到底思えません。違和感ありすぎる。

        また、前回参考資料の編著者である「袖井林二郎」法政大名誉教授は、前回記事が出たさい色々調べたのですが、今で言えばマッカーサーオタク界の頂点(失礼)のような方で、著書『マッカーサーの二千日』で大宅壮一ノンフィクション賞他 受賞されており、マッカーサーに関しては半藤氏より信頼のおける「超高ランクオタク」です(失礼)。
        その袖井氏によれば、この建設計画を推進した母体の名称は【マッカーサー会館建設期成会】です。やはり「神社」というワードはありません。このことからも「マッカーサー神社」が正式名候補になっていたとは思えません。やはり、当時の世相(元敵国人を崇める日本人の人の良さ・滑稽さ)を揶揄した言葉にすぎないのではないでしょうか。

        ネット検索で出てくる情報は玉石混交。一箇所の情報のみに頼るのは危険ですのでこちらも参考になさって下さい。(もしマッカーサー記念館が本当に建っていたら現在ある有名な施設が存在してなかったかも?――という興味深いエピソードも読めますよ。)
        https://ozakiyukio.jp/column/009.html

        ちなみに蛇足ですが、私の思うところ……
        百田氏は恐らく、ネトウヨなどが誤解して広めた「本気で神社造るつもりだった」伝説の建設発起人に朝日の社長がいることを知り、そのマッカーサーへの忠誠っぷりに歓喜したのでしょう。
        『日本国紀』で展開しようとしていた自説=「自虐史観を植え付けたのはGHQによる洗脳プログラムとそれを担った朝日」にぴったりのStoryだったから。それで勢い余って都市伝説を鵜呑みにしてしまったのではないでしょうか。

    • 百田さんが「マッカーサー神社」を揶揄って「御神体」と言っているというのがどうして分からないのだろうか?
      その程度は分からないといけないです。朝日新聞を揶揄っているのです。
      「御神体」は揶揄いの表現なのです。

      • 違いますよ。どう考えても「御神体」=「マッカーサー神社を揶揄した表現」とは取れません。朝日への揶揄でもない。なぜなら、人を御神体として祀ることはよくあるが普通は亡くなってからだ――と述べているから。
        計画が実現していれば朝日はマッカーサーを現人神的に祀るつもりだったと百田氏は本気で思ってる。本物の神社を作る計画だったと勘違いしてるからこそ、「皆亡くなった人ですよ。」とか「まだ生きている人を(笑)」と言って嘲笑できるわけで。「本物の神社ではない」と正しく認識していたらこの嘲笑は出ないでしょ。

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