【日本コピペ紀】プラモート氏発言もコピペ【保守論壇界の著作権・知的財産権への意識の低さを論ず】

無断転載され続けるプラモート氏発言

昨日、百田尚樹『日本国紀』(幻冬舎, 2018)に引用されるタイ国元首相(当時は記者)であるククリット・プラモート氏の発言が、名越二荒之助『大東亜戦争を見直そう』 からの無断転載であると指摘されました。

実はこの箇所は、『日本国紀』のコピペ問題が本格化する以前に、早川タダノリ氏によって指摘されていました。

この早川氏の言にもあるように、問題となるプラモート氏発言は、「アジア諸国は日本に感謝している」系の書籍に頻繁に、多くは参照元が明示されることなく無断転載されています。

著作権・知的財産権意識の低い保守論壇

著作権は翻訳など二次創作物にも付与される為、このプラモート氏発言を引用する際には、名越二荒之助『大東亜戦争を見直そう』を参照元として明示する必要があります。したがって、名越二荒之助『大東亜戦争を見直そう』に言及することなく、そこに収載される翻訳文を引用することは、著作権法に抵触する恐れのある行為なのですが、本書は何故か保守論壇でパブリックドメイン(完全著作権フリー)かと誤解されているかのように無断転載され続けています。そのため私も、(コピペ騒動が本格する前に)最初に早川氏のツイートを見た時には「またか」と思っただけで、コトの重大さに気が付いていませんでした。

このような保守論壇界での著作権・知的財産権への意識の低さが、『日本国紀』のコピペ問題の背景にあることを忘れてはならないでしょう。コピペするのは一瞬ですが、現地の新聞を手に入れて翻訳する労苦は計り知れません。

【追記】しかも誤読との指摘も…

比較テーブル

『日本国紀』p. 447『大東亜戦争を見直そう』p. 61
「日本のおかげでアジアの諸国はすべて独立した。日本というお母さんは難産して母体をそこなったが、生まれた子供はすくすくと育っている。今日東南アジアの諸国民が、米英と対等に話ができるのは、いったい誰のおかげであるのか。それは身を殺して仁をなした日本というお母さんがあったためである。十二月八日は、我々にこの重大な思想を示してくれたお母さんが一身を賭して重大決意された日である。我々はこの日を忘れてはならない」(現地の新聞サイアム・ラット紙、昭和三〇年十二月八日)「日本のおかげでアジアの諸国はすべて独立した。日本というお母さんは難産して母体をそこなったが、生まれた子供はすくすくと育っている。今日東南アジアの諸国民が、米英と対等に話ができるのは、一体誰のおかげであるのか。れは身を殺して仁をなした日本というお母さんがあったためである。十二月八日は、われわれにこの重大な思想を示してくれたお母さんが一身を賭して重大決心された日である。我々はこの日を忘れてはならない」

「新聞サイアム・ラット新、昭和三〇年十二月八日」という元記事の明示があっても、その翻訳を『大東亜戦争を見直そう』から無断転載・改変している以上、それを記す必要があったことは言を俟ちません。

なお、本記事により『日本国紀』のコピペ総量が2%を超えました。

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