【日本国紀】百田尚樹先生、万世一系を否定する【実は隠れ左翼?】

『日本国紀』のスゴさ

絶賛売り出し中の保守論客・百田尚樹氏が著した『日本国紀』(幻冬舎, 2018)は、その杜撰な内容から、むしろ保守をリベラルに転向させるために著されたのではないかと思うほどです。

たとえば、「南京大虐殺」「従軍慰安婦問題」「大東亜戦争の侵略性」といった微妙な問題について、見事なレトリックを駆使して、「南京大虐殺で民間人被害者がいた」「軍による強制売春があった」「大東亜戦争は侵略戦争だった」と認めてしまっている奇書です。これまで本ブログでもその言説のいくつかを紹介してきました。

【トンデモ】『日本国紀』が軍による強制売春を認めてしまう。

2018.11.09

【トンデモ】『日本国紀』が大東亜戦争の侵略性を認めてしまう。

2018.11.09

【トンデモ】南京大虐殺は無かった?(百田尚樹『日本国紀』幻冬舎, 2018)

2018.11.09

王朝交替説を認める

今回はそんな不思議な百田先生の言説の中でも、最も危ないリベラル発言を紹介します。なんと『日本国紀』において百田先生は「王朝交替説を認め、万世一系は捏造の可能性が高い」という点を指摘します。次のように述べます。

継体天皇の代で王朝が入れ替わったとするなら、むしろ納得がいく。……多くの学者が継体天皇の時に、皇位簒奪(本来、地位の継承資格がない者が、その位を奪取すること)が行われたのではないかと考えている。私も十中八九そうであろうと思う。つまり現皇室は継体天皇から始まった王朝ではないかと想像できるのだ。

 百田尚樹『日本国紀』幻冬舎, 2018, pp. 31-32

第26代・継体天皇は皇位簒奪者であり、その時王朝が変わり、現在の皇室は継体天皇から始まった王朝であると言っています。つまり現皇室の系譜は、神武天皇から始まるのではなく、皇位簒奪者である継体天皇に起源をもつというのです。

さらに継体天皇が応神天皇の子孫という記紀の記述も、「万世一系でなければならない」という不文律を守るための捏造である点を指摘します。

「天皇は万世一系でなければならない」という不文律があったからこそ、『日本書紀』に、このような不自然な記述をする必要があったと考えられる。……応神天皇の五世の孫ということが事実かどうかも疑問であるが、皇統を継ぐ者として、血統は不可欠だった。同じことは「仲哀天皇から応神天皇」の流れにも見ることができる。

 百田尚樹『日本国紀』幻冬舎, 2018, p. 32

これは万世一系を汚す発言です。たとえば血統が売りの竹田恒泰氏は、このような王朝交替説を決して認めず、その様なことを言い出すのは万世一系の尊厳を陥れるためのGHQの陰謀だと極めて強く非難しています。

以上からも明らかのように、『日本国紀』は万世一系を否定するリベラル的発言が確認されます。もしかしたら百田氏自身が実はGHQに洗脳された自虐史観から抜けきれなかったのかもしれません。

しかも著者や編集者、監修者らは、皇統断絶を主張する本を靖国神社などに献納しているそうです…。神罰が下らなければよいのですが。

保守論壇の面々も心底激怒しています。

『日本国紀』、「つくる会」元会長・西尾幹二にすら「戦後後遺症を今なお癒せないこの国の知性の歪み」と粉砕される。

2018.11.13

知の巨人・渡部昇一氏、百田尚樹『日本国紀』の傲慢を一喝。

2018.11.13

【悲報】竹田恒泰氏、『日本国紀』に鎮魂歌を捧げる【反日リベラル本】

2018.11.12

2 件のコメント

  • 百田は万世一系と王朝交替という矛盾したことを言っている。その理由は次によると考えられる。百田は、日本は一貫して自立した国であることを讃えたい。そのため、卑弥呼や倭の五王のように、中国の冊封を受けたという事実がある王権が存在するのはまずい。それを王朝交替で切り抜けようとしたのだ。朝貢したのは現在の皇室とは無関係であると。それで矛盾が生じ、この論法は見事に失敗したのだ。

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