つくる会元会長・田中英道氏に、数十行にわたる「大規模コピペ」の疑惑

田中英道氏のトンデモさ

つくる会元会長・田中英道氏は、土偶は近親相姦による奇形児を象っているだの、卑弥呼神社がないから卑弥呼はいないだの、マスコミはフランクフルト学派に乗っ取られているだの主張してデムパ全開中です。

こんな強力な電磁波を放っている人が「つくる会」の会長として歴史教科書政策に携わっていたとは驚きです(現在では袂を別っているようですが)。

さて、その田中氏の著書『戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」』(展転社, 2011)のうちに、百田尚樹氏の『日本国紀』よろしく長大なコピペ箇所があると報告いただきました。

この指摘を元に原本を確認したところ、確かに膨大な量のコピペがあることが判明しました。

田中英道氏は、著書『戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」』(展転社, 2011)のなかで、『日本人に謝りたい : あるユダヤ人の懺悔』(日新報道, 1979)から、4ページ(46行)にわたり無断転載・改変を行っています。

この文量は、局所的な一致度という点では、現在、ギネス級の記録です。

比較テーブル

両者を比較すると次のよう成ります。また実物の謄写比較は、本記事の末尾を参照ください。

田中英道『戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」』展転社, 2011.7, pp. 20-22
モルデカイ・モーゼ(訳:久保田政男)『日本人に謝りたい : あるユダヤ人の懺悔』日新報道, 1979(新版1999), pp. 210-222当該箇所を転写したウェブサイト魚拓, 1998年制作
ルーズベルト大統領の家系のルーツを調べてみると、祖先は十七世紀の末葉、オランダにいたユダヤ人Claes Martenzan van Rosenvelt であることがわかる。このローゼンフェルト家の先祖は異教徒審問中、スペインから亡命したユダヤ人の一群に属し、ローゼンカンポと称されていた。その後この一群のユダヤ家は欧州各地に分散している。彼らは、 Rosenberg, Rosenbaum, Rosenbarium, Rosevelt, Rosenbergなどと名乗った。
この中のヤコブス・ローズベルトがオランダに定住し、この一家のみが改宗したのである。ユダヤ人であることの証は、ユダヤ教徒であることだ、という規定を一旦はなれているから、彼をユダヤ人といわない。そしてこの一家は一六四九年、オランダから当時ニューアムステルダムと呼ばれていたニューヨークに移住している。一六八二年にクラエス・マルテンザン・ローズベルトはジャネツェ・サミュエルズと結婚している。
ルーズベルトの家系のルーツを調べてみると、祖先は十七世紀の末葉、オランダにいたユダヤ人 Claes Martenzan van Rosenvelt である。このローゼンフェルト家の先祖は異教徒審問中、スペインから亡命したユダヤ人の一群に属し、ローゼンカンポと称されていた。その後この一群のユダヤ家は欧州各地に分散している。彼らは、 Rosenberg、Rosenbaum、Rosenbarium、Rosevelt、Rosenbergなどと名乗った。
この中のヤコブス・ローズベルトがオランダに定住し、この一家のみが諜者となるため改宗したといわれる。この一家は一六四九年、オランダから当時ニューアムステルダムと呼ばれていたニューヨークへ移住している。一六八二年にクラエス・マルテンザン・ローズベルトはジャネツェ・サミュエルズと結婚している。戦後、布商を営んでいた
彼がユダヤ人の系統であることは、日本ではほとんど知られていないが、口述ではルーズベルト自身がニューヨーク・タイムズで、自らユダヤ人の末裔である、ということを語っているのである(一九三五年三月十四日書簡引用)。また、一九三五年三月十四日の『ニューヨーク・タイムズ』紙上で『デトロイト・ジューイッシュ・クロニクル』紙に掲載されたルーズベルトの書翰を転載しているが、この書翰によると、「自分の先祖は多分ユダヤ家であろう」と記しているという。
彼が大統領に選ばれた時、全米のユダヤ系市民からモーゼの再来として秘かに尊敬を受けていたことは、その方面の人々に知られていることである

ルーズベルトが全米のユダヤ系市民からモーセの再来として信仰に近い尊敬を集めていたことは、よく知られている。

ルーズベルトは一九三三年大統領に当選するや否や、次に述べるごとく在米ユダヤ系市民から信じられないほどの喜びで迎えられ、また崇拝されているのである。実はよく考えてみると、これはなんとも奇妙な話なのである。

むろん彼は選挙公約で、ある移民系だけの利益になることはしないと約束している。

何故なら、ルーズベルトは選挙公約でユダヤ系市民の利益になるようなことは何一つ公約していないのである。

また、ルーズベルトが今後ユダヤ系市民にどのような政策を行うかも全く予測などできないはずなのである。しかるに何故に、以下述べる如く祝わなければならないのだろうか。もしルーズベルトがユダヤ人でないとするならば……。

しかし彼が当選すると、なぜか彼の生みの親、ゼールズ・ルーズベルト夫人にユダヤ憲章(ジューイッシュメダル)が贈られ、ニューヨークユダヤ協会の名誉会員に推薦されているのである。その祝賀会会場で、当時のニューヨークユダヤ人市長ラガーティア全ユダヤ人の名において金牌を贈与したという事実があるのだ。

ルーズベルトが当選すると、彼の生みのゼームス・ルーズベルト夫人ジューイッシュメ贈られ、ニューヨークユダヤ協会の名誉会員に推薦されその祝賀式典の式上で、ニューヨーク市長ラガーディアユダヤ人)はニューヨークユダヤ人の名において金牌を贈与したのである。

れに対して、母親は金一封を謝礼として寄付した。さらに、シオン組合の前会長ルイス・リプスキーは同夫人に、アメリカの勇敢なる指導者を生んだことに讃辞を捧げ、マイロン・ザルツバーガーは夫人米国の母であるばかりでなく、世界の母となることを望んでいる、と述べていたのである。三三年鋳造されたが、それは表面にルーズベルト裏面にダビデの星がまれている。彼がユダヤ人の支持を受けていたことは明らかである。

れに対して母親は金一封を謝礼として贈っている
さらに、シオン組合の前会長ルイス・リプスキーは同夫人
アメリカの躍々た勇敢なる指導者を生んだ讃辞を呈し、マイロン・ザルツバーガーは夫人は単に米国の母として偉大なるのみならず、世界の母として偉大となられることを希望すると述べてる。
これに加うるに、鋳造がある。一九三三年3月4日大々的に売り出されたこのメタルは表面にルーズベルトを演出し、裏面にダビデの星がきざまれているものである

ルーズベルトの当選を待ちかねたように、せきを切ったごとくこのようなルーズベルト絶賛がユダヤ系市民から起こったのははたして偶然であろうか。

彼のブレーンユダヤ人かその関係者であったことも知られている

ルーズベルトを囲繞するブレーントラストがすべてユダヤ人でありその大部分が同時にマルクス主義者であったことは、日本でもよく知られていることである

大部分はプライベートなブレーンであるが、見逃せないのは、国務、財務、労働の3つの重要な長官がルーズベルトのグループだったということである。

ハル国務長官自身はユダヤ人ではなかったが、その夫人はユダヤ人である。日本の栗栖駐大使がそのことを述べている。

国務長官ハルはユダヤ人ではなが、妻君がクーン・ローブ商会のユダヤ人ヤコブ・シフの親類の出身である。

開戦後交換船で帰国した栗栖大使が語ったように、ハルは圧力のため思うように政策がすすめられなかったのであった。野村大使ではとてもそんなハルの本音は聞き出せないだろうが、栗栖大使の腕はさすがである。結局、ハルはがっちりルーズベルトに、いいかえればニューディーラーに組み入れられていたのであった。

財務長官モーンゲンソーはユダヤ人である。戦後処理を含めて対独強硬策を出したのが、この長官であった。

つぎの財務長官モーゲンソーはユダヤ人である。戦後処理をめぐって対独強硬案を出した如く最もユダヤ的なユダヤ人であった。このモーゲンソーは、ルーズベルトの史上最大の赤字作りに最も貢献するわけである。

労働長官バーキンス女史ロシア系ユダヤ人で労働者に団結権を与え、階級闘争を激化する要因を作ったのはこの長官であった。

もう一人の労働長官パーキンス女史である。彼女は、労働者に団結権を与え、階級闘争を激化させる要因をつくるのに貢献するのである。ロシア系ユダヤ人である。

恐るべき分量。保守論壇界ではコピペが日常茶飯事?

以上からも明らかなように、田中氏著作には別媒体との著しい一致が確認されます。これを偶然とするのは極めて困難です。

ところでコピペ元の『日本人に謝りたい : あるユダヤ人の懺悔』は、翻訳書という体裁をとっていますが、原本も現著者も存在しない和製偽書であると指摘されています(小田島雄志×紀田順一郎×渡部昇一「鼎談書評」『文芸春秋』58(4), 1980.4)。このような偽書すらコピペしてしまうとは驚き以外の何ものでもないでしょう。

なお、この田中英道氏は、過去には「新しい歴史教科書をつくる会(通称:つくる会)」の会長として(その後、絶縁)、現在では竹田恒泰氏などとともに「日本国史学会」というさも学会風団体の理事長を務めているなど、保守論壇の中心人物の一人です。

この様な事態を踏まえるならば、保守論壇による歴史戦というものが、いかにいい加減なものかがよく解るでしょう。事実、「歴史戦の狼煙」なとど吹聴されていた百田尚樹著・有本香編集『日本国紀』もコピペだらけでした。彼らが語る「歴史的事実」の陳腐さが知れるというものです。

【追記】なおこの後、「つくる会」公式ツイッターから衝撃のコメントをいただきました。仔細については下の記事を参照ください。

つくる会、元会長や会員たちの盗用癖を告白

2018年12月28日

【参考】謄写比較

【その1】

【その2】

【続報】




6 件のコメント

  • コピペ(Copy&Paste)は、パソコンで最も便利な機能であり、この行為自体が「違法」でも「不当」でもないことは、パソコンを熟知して活用されておられる方はみなご存知でしょう。
    「保守論壇」というのが何を意味しているのか私にはわかりませんが、みなさんが、この「保守論壇」を論破してたたきつぶしたいとお考えなのであるなら、本質的な論争を展開すべきです。「コピペをしているからダメ」じゃダメですよ。相手にならない。

    • nigeatさんへ

      過去のエントリーもお読みになるべきですね。
      https://rondan.net/6360
      管理人さんはこのように書いています。

      >そもそも戦う相手は反知性主義者なのであって、実証的根拠や客観的思考をいくら提示したところで何の効果もありません。

      1.ここで言われている「保守論壇」とは反知性主義者の集団である。
      2.よって本質的な論争なぞは無駄である。
      3.「コピペ」とは「盗用」「剽窃」という著作権法上の違法行為を指す現代用語である。

      少なくとも私は、管理人さんその他有志の指摘によって、日本国紀が改善され、「立派な通史」として完成形になることを期待しているわけではありません。
      私が求めているのは「幻冬舎及び百田、有本等による盗用についての謝罪」「絶版」「全書回収」「百田の断筆」です。

    • 記事とは直接関係しないが、クリエイティブ・コモンズの設定概念を全然理解してないようだ。
      一定のルール下で権利放棄するルールなのに、ルールを守らないフリーライダーが現れるようになると、より多くの人が参加(権利放棄)しなくなる
      単純な権利侵害であるならば確かに著作権利者と侵害したであろう者達だけの問題になるが、上記の点は公共性の問題で不特定多数が関わる問題になり、十分に「不当行為」と言える
      また、親告罪の要件である権利者の申し立てがないからといって「違法行為」でないとも言い切れない
      「コピペ」自体が問題ないとしても、権利放棄された内容を発表し、そこから著作権を持ち利益を得ているという疑惑が、批判の対象にならない方が不自然です
      本質的というのはこういうことかな

    • 前後関係や文章の構成等が似てないなら、そういう短い事実の記述だけではコピペとはされないでしょう。
      本サイト記事『「歴史的事実」ならば逐語的に一致するのか』はもうお読みになりましたか?「日本書紀(仁徳天皇の逸話)」と「フロイス日本史」をサンプルとして、複数の訳文の比較で単なるコピペと独自訳との違いを検討していますのでもしまだならぜひ。
      https://rondan.net/4399

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