【トンデモ】ハンバーガーは日本文化を破壊する陰謀だった(『口は天国からだは地獄:ハンバーガー編』美健ガイド社)

美健ガイド社のトンデモシリーズ

「美健ガイド社」の出している漫画シリーズは、「古き良き日本」の生活様式を取り戻そうとする保守運動の一つの有り方を示しています。

現代的なもの、非自然・天然的要素、欧米的要素は滅多打ち!美健ガイド社トンデモシリーズ、今回は「食」!

毎回「戦前の暮らし、自然・天然、日本って言葉が大好き!」と言う気持ちが空回りしすぎて、何を言ってるんだかわからなくなるシリーズです。漫画家さんはどんな気分でこれを描いていたのかな…以外とのノリノリだったのかな?とかいろいろ想像できて楽しい作品です。

今回のタイトルには、センスを感じますね。

ずばりそのタイトルは『口は天国からだは地獄:ハンバーガー編』(美健ガイド社, 2013)です。

ハンバーガーは理想の食べ物!?

美健ガイド社の食育漫画は、ともかく和食一筋、和食LOVE

それ以外を食べると最悪死ぬような言い方さえもするのですが

おや!?一体どうしたんでしょう!?まさかのハンバーガー褒め!?

異様な褒め方ですが、意外な方向からスタートです。

物語はスタートが大事です。ここで読者の心をぐっと掴まなければ、その後のページをめくってはもらえない……それを考えると、今回は大成功ですね。

どこかで見たことがある「M」を逆さにしたロゴが素敵なハンバーガー

「マックラナルド」と言うチェーン店のようです。じゃあロゴの「W」はなんなんだ。

こう言うところは非常に雑ですね。「ワルドナルド」とかなら「W」でいけたのに。

にしても、ハンバーガーが理想的な食べ物なんて聞いたことがないのですが。まあ、わかりきったことですがいつもの「フリ」ですねこれは!

ここで主人公!

「ジャンクフード」ってなに?とざわつく教室。

そこに出て来るステレオタイプ、メガネくんです。

広辞苑を持って小学校に来ているのでしょうか。豪腕ですね。

でもクラスはマックラナルドのハンバーガー支持層が多いようです。

やっぱり大声で怒鳴る。美健ガイド社の主人公は、だいたい急に大声を出します。少し落ち着いて!

でも 日本人なら」という言葉を言いたくてしょうがない。そういう熱い想いだけは伝わります。

この女の子は両親は、和食料理店を経営しているそうです。

ハンバーガーに対する並々ならぬ敵意を感じます。

美健ガイド社的ハンバーガーと日本人論

そんなこんなで仲良し三人組で、ハンバーガーの危険性を調査することに。

和食食堂を経営しているお父さんに聞いたそうです。

「敵についてどう思う?」と味方に質問するわけですね!?斬新だな〜!

邪道」「日本人」というお父さんの発言もさることながら、「やっぱり そうだよね」と無批判に受け入れてしまう女の子。

というか、これ、自分の意見を肯定してくれそうな相手に聞いてるので答えなんか決まってますよね。

日頃、このお父さんから「和食最高」「洋食邪道」という教育を受けて育ち、それを信じ、学校でああ発言したわけですから……。

ではなぜ日本人には、米と魚なのか?

きましたお得意の風土論!

日本の風土に合った食事は和食!だから日本人にぴったり!という理論です。

そしてサクッと

「日本には四季がある」

って言ってます。

じゃあ他の国には四季がないのか?英語にある季節の単語は一体なんなのか?様々なミステリーを残したまま、話を続けます。

一方、アメリカ人と言えば…。

子供の頃から食べていたものは自然と親しみを感じるかもしれません。

なので、そういう意味では「日本人は米と魚に、欧米人はパンと肉に親しみがある」人が多いのかもしれませんが……

でも、美健ガイド社ですよ!そんなわけないじゃない。

美健ガイド社は人種の差異にまで言及しちゃう。

それらしい「データのようなもの」を使うのがうまい。

日本人は、先祖代々日本の風土の下で暮らしてきましたから、「自然淘汰などを経て、日本食に適した体の作りである場合が多い」という仮説は有り得るかもしれません。

でも風土と人種的体質を結び付けるのはちょっと強引さを感じます。

たとえばお酒。

アフリカ系やヨーロッパ系よりも、日本人は人種的にアルコールに弱いことが知られています。でも日本にはお酒が無かったわけではないですよね。

先祖代々お酒を飲み続けて来たのに、日本人の体質にお酒は合わないのです。

それを考えると風土と体質、食生活を安易に結びつける理解は誤まりであり、荒唐無稽であると思います。

なお、和辻哲郎あたりも風土という考え方を推してきますが、この考え方は、一歩間違うと、「人種差別」に繋がる恐れのあるものなので私は好きではないです。

さっき言ってたことは何!?謎が謎を呼ぶ議論。

さらに議論は続きます。

たしかにパンと肉を使っていますから、先ほどの話を考えると、ハンバーガーはアメリカ人にとって理想的な食べ物なはずです。

ところが、

「父の蔵書の中にハンバーガーの本が結構」ある

なんで?

え、なんで?なんのための?謎がすぎるよ〜、処理しきれないよ〜!

しかし、そんな私の心は置いてきぼり!

パンと肉をつかっているのにハンバーガーは、アメリカ人にとっても理想的ではないそうです。

数ページめくっただけで自己矛盾を起こす美健ガイド社!人は矛盾を抱えて生きる生き物ですね。

ハンバーガーの害というのは、高カロリーによって肥満が増えること

「ハンバーガーが肥満の原因になるから控えるように」なんて美健ガイド社にしては珍しい意見では!?「しぬから」じゃないんだ!

そして美健ガイド社、さりげなく大企業の責任論を挟みます。

なるほど、「高カロリーのハンバーガー」を食べさせるように仕向けている大企業が悪いという理論です。

企業の陰謀なのか、企業の努力の賜物なのか、確かにアメリカではジャンクフードによる肥満が社会問題になっていると聞きます。

もちろんカロリー以外にも猛毒が!!

そう、化学物質!食品添加物!美健ガイド社の永遠の敵!!

防腐剤のせいなのか、ハンバーガーが一年経っても腐らなかった

マックラナルドマクドナルドの関係は解りませんが、マクドナルドのハンバーガーで同じような現象が確認され話題になりしたね。

ハンバーガーで日本を侵略!!!!

毎シリーズ、言いたいことを早く言いたいあまり、ブーストありあまる展開の美健ガイド社。

素直な「かっこいい」の感想に、ガチガチの返しをする師匠

見えんかった」って、個人の感想ですね。まあ、意見は大事。

それにしても「ハンバーガーについてどう思う?」と先に質問し、答えさせてからその答えを責めるのは、オトナゲナイ!

そしてそこから、畳み掛け!

日本人がパンを食べるようになった理由……?

な、な、な、なんだってーーーーーーーーー!?!?!?!????!???!

それは一体どうゆうことなんだ!?キバヤシ!

師匠は話を続けます。

実際、「米食批判」というのはあったそうです。

「お米を食べるとバカになる!!」に対抗して「ハンバーガーを広めるのは宣戦布告と同じ!」

なかなかハイレベルな戦いになってきた。

出ました!おなじみ「企業の陰謀」

そしてこちらは、小児科医がおじいちゃんの女の子のお話。

薬も注射も使わない 凄いお医者さん

ヤバイ匂いしかしないぜ!

子供に予防接種を受けさせない親が問題になってるんですけど、こういう本読んじゃってるんでしょうかね。

確実に爪痕を残している美健ガイド社。

そして、そんなヤバイお医者さんにも話を聞くよ〜!

やっぱり怒鳴る!感情に任せる!

小児科医のおじいちゃんだって、「予防接種を受けさせない派」、自然大好き派の親に「薬も注射も使わない」と宣伝して呼び寄せているのでは…?

「子供をターゲットにしてる」じゃない!?同じやり口じゃない!?

難しい話になってきた!

さて、おじいちゃんの言い分です。

特大のブーメランを投げた!!!

漫画の最初に出てきた「和食食堂」のお父さんは娘に「和食最高、ハンバーガー悪」と言っていました。

子供の頃から、そう言われ続け、そうなってしまったのでしょうね。

「思考は子供の頃に親に何を言われるかで大きく左右される」んじゃ…?

と、とにかく話を進めなければ。

明らかにマクドナルドの絵に見えますが、マックラナルドですので!

美健ガイド社はディスが容赦ないので「餌付け」などの悪意いっぱいな言葉を長文にさりげなく混ぜてきます。

ハンバーガー店が多いと平均寿命が下がるだって!?

全く関係ないと思われたデータを合わせることで、新しい技を閃いて来る!

ひらめきの天才か美健ガイド社!羨ましすぎるぞ!その才能!

新しく生まれた謎のデータによって、めでたくハンバーガーがジャンクフードだと証明できました!!

そこから、みんなで食育の時間に「ハンバーガーの危険性」を発表しよう〜!という流れになり、わいわい!

なんだか大団円!という感じの中、初めに出てきた「和食食堂のお父さん」が…

「ちゃんとした食いもん」和食です!

ハンバーガーにはたくさんの塩分も含まれていると指摘していたのですが、このお膳に乗っているものの塩分については一切触れません。

和食は日本人の体に合っているので、たくさんの塩分を含んでいても問題ないのかもしれませんね。

減塩醤油や減塩味噌が生まれたのは、一体なぜなんだろう?

毎回、たくさんの謎を生み出し、読者に余韻を残しまくっておわる、美健ガイド社の漫画シリーズです。

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5 件のコメント

  • このシリーズは塩分過多の和食を食べすぎて脳の血管がどうにかなってしまった人が作ってるんだろうな、という感想を持ちました

  • マクドナルド(直球で)で真空状態で一ヶ月レベルもったのはポテトで他は1週間でだめになりました。スーパーサイズ・ミーの監督が実験してましたがあくまでアメリカの話です。
    野球の話でいうとヤクルトの山田哲人選手は体重を増やすためにチーズバーガーを食べて成功してますし、カロリー過多は運動云々によっていくらでも変わります。
    以前某牛丼チェーンの焼鮭定食は塩分7gでひっくり返ったことがあります。
    たぶんもうなかったと思いますが

  • ハンバーガーの問題点だけを科学的根拠に基づいて指摘してればいい。安価で糖質が多く、栄養価の低い食べ物が売れるのは、大多数の国民の所得水準が低いからだとか、高脂血症や高血圧、高血糖のリスクが上がるとか、ちゃんとした統計に基づいて社会的ないし、医科学的な面から批判するだけなら問題ないし、むしろいいことなんだんけど、そこからなぜ和食最高に結びつくのか?これは他民族を差別をする時に自国民をやたら称賛する現象と同じではないか?

  • 一部の愛国者様が最近大好きな縄文人は、魚介類よりも獣肉をたくさん食べていたというデータがあります。
    まあ、本州人の祖先は遺伝的には縄文人より圧倒的に愛国者様が嫌いな弥生人なのでいいのかも知れませんが。(弥生人も獣肉食べてたけど)

  • 真弓定夫先生、食生活も思想も右に振り切れてますね。矛盾にも気づいてないし。他のトンデモ系医師の方が、理論に整合性がある分マシに思えてきます。

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