【トンデモ】シャンプーで不妊や奇形児に!?嫌なら米のとぎ汁で髪を洗え!!(『経皮毒:シャンプー・リンス篇』美健ガイド社)

美健ガイド社のトンデモシリーズ

美健ガイド社」の出している漫画シリーズは、「古き良き日本」の生活様式を取り戻そうとする保守運動の一つの有り方を示しています。

このシリーズ、昔の日本(?)のくらしを称賛しつつ、化学物質などのケミカルなものすべてをやたらと批判します。

作中でめちゃくちゃ言われます。ケミカルは悪。

今回紹介する『経皮毒:シャンプー・リンス篇』(美健ガイド社, 2014)では、シャンプー・リンスが健康に悪影響を与えるというトンデモ説が展開されます。

学校にシャンプーを持って行って自慢する謎

美健ガイド社の漫画は、少ないページ数にやたら多くのメッセージを盛り込んでいくスタイルが特徴。

情報すし詰め状態なので、登場人物の会話が噛み合わない。そんなところも魅力のひとつです。

まずはお話のスタートより。

開始1ページ目から「学校にシャンプーをボトルごと持ってくる」という、スタートダッシュぶり。いいですね。話が早い。

そんな中、突然坊ちゃん刈りのメガネ君が登場。

メガネキャラの持ち技「メガネクイッ」をしつつ何か言ってますね。

メガネくん曰く、シャンプーに化学物質が入っているから髪がダメになるらしいです。

ケミカルは悪!化学物質は危険!」「自然由来は安全!」って叫びまくってるナチュラリスト()な健康オタクはたまに見ますね。

自然に生えているトリカブトとか毒なんですけど……

そしてこの少年の主張の是非をめぐって、子ども法廷が開かれます。

すぐ裁判しちゃう。

子ども法廷

この「子ども法廷」は、閻魔大王の前で開かれます。クラッシックですね。

原告は子供たち、被告は製造元責任者という構図。

もちろん最終的には、子供達が必ず勝ちます

裁判の実況解説にフクロウと九官鳥がいるんですが、誰も何もツッコまない。

法廷で原告(子供たち)が問題視するのは、シャンプーの化学物質。

石油由来の化学物質が、深刻な害を与える可能性がある!それを売り続ける会社の販売責任!

と、長ゼリフと怒涛の文字背景で伝えます。

シャンプー大量に飲むわけでもないんですし、髪を洗っただけで皮膚から吸収されて害毒になる!というのはちょっとピンときません。

本来、こういうのは程度論のはずなのですが、通常の常識的な利用量でもスゴイヤバイ!危険!と誇張していきます。

奥の方でメガネくん、うんうん言ってますね。どういう立場なんですかね。

これに対し、被告側の反論は次のようなもの。

国の安全基準を満たしているから何ら問題ない」。まぁ当然と言えば当然の反論です。

謎のお花背景が気になるけど、次に行きましょう。

偽物の美しさ

続いて議論されるのは、先ほどのいかにも悪そうなキャラ作画をされた被告側

シャンプーには髪を美しくするグッドな成分もたっぷり含まれている」からOK論です。

聴衆の一人が、このシャンプーを使った女の子の髪が綺麗だから「少しぐらいの化学物質なら問題ないのね」と言い出します。

髪が綺麗になるなら「少しぐらいの化学物質なら問題ないのね」というセリフ自体に闇を感じます。「化学物質=絶対悪」が根底にあるからこその一言。

この話を作った人の中にシャンプーに村を焼かれた過去を持ってる人が居るんでしょうね。

さて、確かにシャンプーをすると髪がツヤサラになることは誰しも認める事実なわけですが、原告側(子供たち)は、そんな美しさは偽物だと断言します。

台詞だけ聞くとなんかカッコイイ!

もちろん、シャンプーなどという化学物質でコーティングした髪など、見せかけに過ぎないという理論です。

絶対早口で言ってる。

更に攻撃は続き、シャンプーすればするほど髪がボロボロになるという結論付けます。

これも程度論だと思うのですが、この漫画シリーズでは、化学物質は絶対悪とされています。魔王ですね。

作中で扱われるシャンプーの名前「華王」ってもじりが結構じわじわきます。

証拠はあるのか!?

これに対して被告側は証拠を出せと言ってきます。

まあ、裁判なので証拠は出して欲しいところです。

でここで子供たちが証拠を提出するのかと思いきや

シャンプー害毒説を根拠づけるデータがない……!!

これには聴衆も怒りを声をあげます。

子供達、最大のピンチ!!まさか証拠がないなんて!思いもよらなかった!

でも大丈夫。

データがなくてもOK

最大のピンチを迎えた原告側(子供たち)

根拠なく思い付きでシャンプー害毒説を唱えていたことがバレたわけですが、ここで何と原告側は、

そんなもの一般人に用意できるはずがない!被告側が用意しろ!

と言い出します。

この、急に現れる和装のおじさん。いつも子供達の味方です。

ヒーローですね。目が綺麗。急に現れても誰も何もツッコまない。

データを出すのは原告でしょ、と言われた半兵衛先生

うわぁ……

病院の受付とか、コンビニのレジとかで見かけるやつだ。やばい。

更に酷い罵詈雑言

証拠がないままゴリ押しで続く裁判。

原告側の告発内容もどんどん激しくなります。

突然次のように言い出します。

多くの学者が指摘している」って言ってるのに、データはないんだ……

そしてここから怒涛のストーリー展開!!!

な、なんだってーーーー!!???

羊水からシャンプーの匂いがする!??!?と、とりあえず、半兵衛先生には関わっちゃいけない匂いはしますね。

そんなシャンプー害毒説(根拠ナシ)を展開していく半兵衛先生。

シャンプーが経皮で子宮内に蓄積しているというのです。さらに蓄積した化学物質によって、児童の先天的障害や不妊症、流産、死産、奇形児出産が起こる!と半兵衛先生は言います。

指摘する声もある」と配慮した発言になっていますが、漫画内では既成事実として話が進みます。

可能性」を指摘されただけで、うろたえまくる被告側。

メガネを直しつつ、さりげなく中指を立てるメガネくん。

ボディーソープも危険。

そんなこんなでシャンプーリンスが危険だというトンデモ説が無理矢理既成事実化されました。

じゃあボディーソープや入浴剤はどうなんだ!?

それは当然やっぱり当たり前に危険!

それじゃあ、どーやって髪を体を洗えばいいの!?

お風呂禁止!?どんどん臭くなってしまうじゃない!!

半兵衛先生の答え

米のとぎ汁灰汁で髪を洗え!

背景のイメージはなんですかね、いつの時代なんですかね。

半兵衛先生は遠くを見つめています。

「心配いらないよ!」メガネくんがここぞとばかりに!!!

「日本人は元々 健康的で美しい黒髪を持った民族なんだ」といって黒髪を推してくる……

そして赤面する女子。まさかこんな要素も盛り込んでくるとは。美健ガイド社!

この一冊にストーリー山盛りすし詰め具沢山、美健ガイド社の漫画シリーズ!!

ツッコミの嵐が止まらない。

民族とか突然、愛国的要素が入り込むところも何ともたまりません。

ところで、この漫画を読んで「私、シャンプーやめる!」って決意する人っているのだろうか……

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5 件のコメント

  • 化学物質によってはセーフと言われても人体や環境に問題とかはあるにはある(いわゆる外国はアウトで日本セーフ系)
    ただここまではない、万が一存在したら即使用禁止になる

  • 一般的に市販されてるシャンプーの代わりには石鹸(特に純石鹸がイイ模様)その時のリンス代わりは酢水を使う人は多いしタモリや福山雅治みたく湯のみで洗う人もいる。
    本人に衛生的医療的問題が起きず満足感があって他者から見て清潔感が損なわれてなければ市販のシャンプーでも石鹸でも好きに使えばイイと思う。

    でもこの漫画はダメだ。
    仮にも法廷とか云ってるならデータは出せよ…

    あと米のとぎ汁?で洗髪してるイラストが出てくるけど当時の櫛の素材である黄楊も鼈甲も象牙も水に漬けるのは厳禁でしょうよ。
    金や銀の櫛もあったとは思うけど普通の庶民は持てない。

    いい加減すぎる。

  • 中学生の時、「酢で洗髪するといい」というアドバイスをされ、実行したら髪が茶色くなった同級生がいます。彼女は「担任のアドバイスだったから、これで茶髪OKよね。ラッキー!」と言ってたので覚えてます。

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