【日本国紀】空襲で札幌が焦土に!⇒実際には死者1名【近現代史も事実錯誤だらけ】

間違いが多過ぎる『日本国紀』

百田尚樹氏は『日本国紀』の第12・13・終章が重要であり、そこにアンチは何も言ってこないなどと強弁を振るっていますが、実際には「ゴールデンブック」や「コミンテルン」への勘違いをはじめ、様々な錯誤が指摘されています。何と「靖国神社」の記述にすら間違いがあります。

そんな中、またもや事実誤認箇所が指摘されました(参考リンク)。

この指摘された箇所には、次のようにあります

被害に遭ったのは東京だけではない。大阪、名古屋、札幌、福岡など、日本の主要都市は軒並み焦土にされ、…

百田尚樹『日本国紀』幻冬舎, 2018, p. 402(第5刷)

つまり、『日本国紀』では、空襲によって札幌が焦土にされたと書かれていますが、実際にはそうではないというのです。

札幌は京都と同じく空襲被害の無い都市

以上の問題について本ブログも調査を進めたところ、やはり札幌は空襲の被害をほとんど受けなかった都市の一つのようです。百田尚樹氏が大好きなWikipediaには次のようにあります。

一方で道庁所在地である札幌市は空襲はあったものの死者は1人のみで、被害はほぼ皆無だったという。京都市と並んで空襲をほぼ免れた都市であり、現在は人口で東京、横浜市、大阪市、名古屋市に次ぐ国内第5の大都市であるにもかかわらず、珍しく多くの犠牲者を出さなかった都市でもあった。

北海道空襲 2018年7月27日 (金) 11:27‎更新分

京都が人口に比して大規模空襲の対象から外れたことは有名ですが、それと同じように札幌も空襲による犠牲者をほどんど出さなかったようです。犠牲者数は僅か1名とのこと。

この事実は、朝日新聞(北海道版)の記事からも確認されます。

やはり北海道空襲で室蘭市、釧路市、根室市の被害は甚大だったようですが、札幌市はほとんど無傷だったことが解ります。さらに北海道空襲は、艦載機による爆撃であり、B29による焼夷弾による空襲もなかったようです。

さらに、札幌で亡くなられた一人の方は、爆撃による死亡ではなく銃撃によるものです(参考リンク)。

よって札幌市が焦土になったという『日本国紀』の記述は明らかな事実誤認に基づくものでしょう。次の刷で修正されることを願います。

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3 件のコメント

  • 私も見つけました。
    p.387(第1刷)

    しかし有史以来、宣戦布告をしてから戦争を行ったケースは実はほとんどない。第一次世界大戦と第二次世界大戦がむしろ例外的といっていい(それでもドイツのポーランド攻撃やソ連の日本への攻撃などはいずれも宣戦布告をしていない)。

    ポーランド侵攻はその通りですが、ソ連の対日参戦の場合は8月8日午後11時(日本時間)に、モロトフ外相から佐藤尚武・駐ソ特命全権大使に宣戦布告が伝達されています。もっとも、佐藤の至急暗号電は本国に届かなかったし、ソ連はその2時間後には作戦を発動しています。

    だいたい、「第一次世界大戦と第二次世界大戦が例外的」といっても、成文化されたのは1907年(開戦に関するハーグ条約)だし、国際連盟が改めて開戦に関するルールを定めたのは第一次世界大戦後です。開戦に関する条約が必要となったのは1904年の日露戦争で、日本が無通告攻撃をしたことがきっかけとされています(戦線布告は旅順港の奇襲の2日後)。

    -Wikipediaによる

    • 有史以来、とかもったいつけた書き方して調べてもいないとか
      つうか春秋時代の中国でも夜戦前に宣戦布告してた
      相手の陣営まで一台の兵車が罵りに行って、それを迎え撃って、という儀式があった

  • もう一つ。
    p.390(第1刷)

    海軍では船舶の護衛任務を「くされ士官の捨て所」と呼んで軽侮していたし、陸軍にも「輜重輸卒(物資の輸送を担当する兵)が兵ならば、蝶々トンボも鳥のうち」という輜重兵を馬鹿にした歌がある。

    輜重輸卒と輜重兵は別ものです。輜重輸卒を管理するのが輜重兵。
    適切な喩えかどうか分かりませんが、株式会社セブン-イレブン・ジャパンの正社員と、セブンーイレブン千駄ケ谷店のアルバイト、ぐらいの違いです。

    よくやる間違いではあるのですが。
    <参考>
    おおやにき(2010年3月13日)
    http://www.axis-cafe.net/weblog/t-ohya/archives/000681.html

    私、ここでこき下ろされている一ノ瀬さんの本を何冊か持っているんだよなあ。

    なお、「くされ士官の捨て所」って、情報担当担当士官のことじゃなかったかなあ(阿川弘之)。
    大井篤さんの「海上護衛戦」を読み返してみよう。

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