【時事】「南京大虐殺」81周年記念式辞にみる日中関係の未来

歴史戦の最前線「南京事件」

1937年に起きた「南京事件」(南京大虐殺)は日中間の歴史認識の齟齬をめぐる最前線で、今も両国関係の緊張を高めています。

中国政府は30万人虐殺を公式見解としており、一方の日本政府は虐殺自体は否定しないもののその犠牲者については「正しい数かを認定することは困難である」としています。外務省のホームページには次のようにあります。

問6 「南京事件」に対して、日本政府はどのように考えていますか。

1 日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています。

外務省ホームページ

したがって、犠牲者の人数については議論があるものの、虐殺行為があったこと自体は両政府ともに認めているわけです。

にもかかわらず、我が国における一部の保守論客は「南京大虐殺はなかった」というようなトンデモ論を唱えて煽情しています。大人気の通史である百田尚樹『日本国紀』においても、これと同主張が展開されています。

このようなトンデモ説について私が「よくないな」と思うことは、南京大虐殺を認めるか否かが、国家(民族)のプライドをかけた戦いにまで昇華させられてしまったことです。南京大虐殺を認めることは、何故かその人のプライドまで打ち砕き、人生の敗北を迎えてしまったように感じてしまうようです。

こういう問題を解決させるためには、こちらから挑発しないことは勿論のこと、相手の挑発にもならないことが一番です。特に南京大虐殺は無かったなどと主張することは、慰安婦や徴用工の場合と同じく、実際に正しくないばかりか、相手を挑発するだけで、既に解決したはずの問題まで蒸し返す恐れのあるものです。

南京事件81周年記念式辞

そんな中で行われた本日発表された「南京事件81周年記念式辞」は、非常に前向きのものでした。その内容を要約すれば次の三点にまとめられます。

  1. 被害者は「30万人」と主張。
  2. 習近平国家主席ら最高指導部は出席せず。
  3. 日中平和友好条約の締結から40周年の節目として、未来志向が重要性を主張。

もちろん①被害者「30万人」は中国側の公式見解なので取り下げるわけがないのですが、②③については日中関係改善を目指した前向きのものと捉えて評価すべきでしょう。

保守論客は①について非難するかもしれませんが、そんなことは日中関係を悪化させるだけで全く国益に資さないものです。是非②③を評価して、挑発・煽情することなく関係改善を目指してほしいと祈るばかりです。

5 件のコメント

  • ドイツのホロコーストもそうですが、数字が実態不明(水増し?)ということを理由に
    行為そのものを、なかったように取り扱う論者さんが増えたように気がします。

    犠牲者の数が分からなくても、悲劇が起きたのは事実ですので、
    事実関係を踏まえることが、再発防止並び犠牲者の方々への弔いになるのではないかと思えます。

    • あとは「虐殺」の意味を非常に狭義にとる解釈もありますね。あまりそういうことをしても自己満足なだけで全く解決に結びつかないと思います。

  • 「南京大虐殺はなかった」というようなトンデモ論と言っていますが、「南京大虐殺」は朝日新聞の捏造です。

  • 天安門事件等の自分たちに都合の悪い事柄は徹底的に隠蔽する
    中国に、日本を非難する資格があるのですかね・・・実際問題
    、いまチベットやウイグルでは、少数民族への虐殺や暴行を
    日常的に行っていますが、管理人さんはその事で中国を非難しな
    のですかい?

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