【トンデモ】『日本国紀』、多数の徴用工が強制労働させられていた事実を認めてしまう【意味不明】

徴用工は嘘!

慰安婦問題に続き、今度は徴用工問題が浮上しています。この慰安婦問題について、強制売春があったことを暗に認めてしまった百田先生は、なんと徴用工問題についても意義深い発言をなさっています。

さて、自称保守を名乗る百田先生は『日本国紀』のなかでこれを次のように述べています。

昭和四〇年(一九六五)頃から、在日朝鮮人と在日韓国人は「自分たちは戦争中に強制連行されてきた」と主張し始めた。これもまた嘘である。

 百田尚樹『日本国紀』幻冬舎, 2018 , p. 472

「嘘」という大変強い言葉が用いらてりますが、この根拠は、どうやら日本国内にいた朝鮮人の大半が「自由意思で」日本にやってきたことのようです。

しかしながら百田先生の文章は、大変意味不明で、読めば読むほど戦時下で徴用工が多数いたのではないかと想起せしめるものです。仮に終戦時に日本国内に多数の徴用工員がいたのであれば、百田氏の「嘘」という言葉こそが「嘘」になります。この記事では、その「嘘」について考察していきたいと思います。

意味不明な理論体系

さてさて、肝心の『日本国紀』は、徴用工員について次のように言及しています。

たしかに戦争中「戦時徴用」として朝鮮人労働者を国内の工場などに派遣した事実はある……
戦時徴用も終戦前の七ヶ月だけである。そして終戦後に彼らの殆どは朝鮮へ帰国した。……
昭和三十四年(一九五九)に外務省が発表したデータによると、当時、……戦時徴用で国内にとどまっていた人はわずかに二百四十五人だった。

 百田尚樹『日本国紀』幻冬舎, 2018 , p. 472

つまり、1944年から徴用による朝鮮人動員が始まり、終戦とともに徴用が解かれるとその大部分が朝鮮に帰国した。1959年の段階で日本国内に留まっていた元徴用工員は245人しかいなかった。というこになります。

終戦時に国内にいた徴用工員の人数は?

では、「1945年の終戦の段階で、国内には何人くらい徴用工員がいたの?」という疑問が当然沸くわけです。なぜかこれについて百田氏は何も述べていません。

そこで少し調べると驚きの数字が出てきます。なんとコテコテの保守論客・西岡力氏ですら32万人(終戦時の国内朝鮮人人口の二割)もの戦時動員があったと認めています。(西岡力「朝鮮人戦時動員に関する統計的分析」『歴史認識問題研究』2, 2018.3)

そして、中国人徴用工はおよそ4万人ですが、そのうち7000人以上が亡くなる過酷なものであったことが明らかになっています。(野添憲治『企業の戦争責任』社会評論社, 2009)

このように百田氏の『日本国紀』は、保守にとって都合の悪い事実を隠すという傾向が極めて強く、言外の事実に目を向けると、まさに「歴史の事実」が見えてくる良書であると思います。

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