【トンデモ】『日本国紀』が軍による強制売春を認めてしまう。

言葉の裏にある真実

本日フライングゲットできました百田尚樹『日本国紀』(幻冬舎)は、読めば読むほど味わい深い名著です。これまでも本ブログでは百田先生が、南京大虐殺で民間人が日本軍兵によって処刑されていることや、大東亜戦争が侵略戦争であったことを認めてしまっている記述を紹介してきました。

しかもこの両記述は、いずれも見事なレトリックのうえに表現されているもので、読み込まないと真実が見えてこないものです。このような裏の意味をとっていくと、百田先生は実はリベラルなのかもしれないと思うようになってきました。

続いて本節では従軍慰安婦問題について考察していきたいと思います。

【トンデモ】『日本国紀』が大東亜戦争の侵略性を認めてしまう。

2018.11.09

【トンデモ】南京大虐殺は無かった?(百田尚樹『日本国紀』幻冬舎, 2018)

2018.11.09

朝鮮人慰安婦に関する証拠とは何か

さてさて日韓関係において欠かすことのできない従軍慰安婦問題については次のように述べています。

コラム 朝鮮人慰安婦に関しては、肯定派のジャーナリストや学者、文化人らが「軍が強制した」という証拠を長年懸命に探し続けたが、現在に至っても全く出てきていない。


 百田尚樹『日本国紀』幻冬舎, 2018 , p. 470

と言っていますが「朝鮮人の慰安婦の強制連行は無かった」とは言っていません。もちろん「無かった」ことを証明するのは、いわゆる「悪魔の証明」ですからこれは仕方のないことです。ただし、「強制連行」の証拠の有無については、「解釈」の問題になっていて、証言などの証拠をどの様に評価するかにかかっています。ですから「全く出てきていない」という百田氏の証言は、正確には「百田氏から見て証拠となるものは、全く出てきていない」という意味です。

軍の強制連行は本当になかったの?

そしてもう一つ注目すべきは「朝鮮人慰安婦に関しては」という限定がなされていることです。ですから、ここで読者は「じゃあ朝鮮人以外で慰安婦を強制連行したり、強制売春させたという証拠はあるの?」と当然思う訳です。そして調べれば、すぐに

軍が強制的に慰安婦を徴収して売春させていた証拠はある」と解ります。

保守論客として慰安婦問題の専門家であり、朝日新聞を厳しく問いただした秦郁彦氏すらこれは認めています。次のように日本軍によって現地女性が強制売春させられていた事例を説明しています。

軍の占領統治下にあった南ボルネオの強制売春事件である。……主として日本人の現地妻となっていたインドネシア女性を強制的に慰安婦としたかどで、十二人の海軍特警隊員らが有罪(うち三人は死刑)となった。
一方、同じ時期にやはり海軍管轄下のセレベス島カンピリで下士官の抑留所長(山地正)が、職を賭して慰安婦一五〇人の徴集計画を阻止した佳話もある。

 秦郁彦『慰安婦の戦場と性』新潮社, 1999, p. 221

このように百田先生は、証拠について解釈の余地のあるものについては全否定、解釈の余地のない部分についてはこれを等閑に付して、「朝鮮人慰安婦に関しては」証拠が見つかっていないと述べていることが解ります。つまり(朝鮮人慰安婦と限定しなければ)現地女性が強制売春させられた確定的証拠は実はあることを、この『日本国紀』は暗に認めていることになります。

読めば読むほど『日本国紀』は実は反日の通史なのではないか、リベラルに目覚めるためにわざと百田氏はツッコミ所を残したのではないか、そう思えてきました。

【トンデモ】『日本国紀』、日本が「友好国」に戦争を仕掛けてしまう。

2018.11.10

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