コッソリ改版している『日本国紀』、「国立国会図書館」の所蔵本の刷数は?

国立国会図書館と納本制度

国会議事堂のすぐ隣には「国立国会図書館」があります。

日本で出版された書籍は、すべてこの国立国会図書館に納本しなければなりません。これは「納本制度」と呼ばれるものです。何のために納本制度があるのか?と言えば、次のような目的です。

国政審議に役立てるため、また、国民共有の文化的資産として保存し、広く利用に供し、日本国民の知的活動の記録として後世に伝えていくためです。
また、国の機関等や地方公共団体等が発行した官庁出版物の場合、外国政府に送付し、相手国の官庁出版物等との交換(国際交換)に用いるために、当館に複数部数を納入することが義務づけられています。これにより、わが国の事情を知るための貴重な情報源として、諸外国の中心的な図書館や研究機関で利用され、国際社会における日本の理解を深めるために非常に重要な役割を果たしています。

国立国会図書館 よくあるご質問:納本制度

このように「国民共有の文化資産」として出版物をアーカイブしようという精神ゆえに「納本制度」があります。

コッソリ改版しまくる『日本国紀』の問題点

ところで『日本国紀』は、第1刷が刊行されるや、内容錯誤のみならず、Wikipediaや他人の著作物からの無断転載が発覚。

これを受けて、改版を明示せずに刷を重ねる度に、誤植どころか内容までを修正。なんとページを跨いで修正する箇所まであります。ですから、現在、書店に並んでいる『日本国紀』は、全部同じように見えて、実は内容が異なるという異常事態になっています。

このように内容に至るまで修正を加えた場合は、本来ならば「改版」したことを明示し、新たなISBNコードを附して再度「国立国会図書館」に献納する必要があります。内容が違うのですから、アーカイブの精神からすれば当然でしょう。

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「国立国会図書館」所蔵の『日本国紀』は第何刷か?

ところで、改版を明示せずに同一ISBNで、内容を修正しまくっている『日本国紀』ですが、何れの刷が「国立国会図書館」に所蔵されているのかツイッター上で話題になっていました。

そこで早速調査…。

さてその奥付は…

 

なんと第1刷でした!

男系の記述にすら間違いがある第1刷を堂々と納本する幻冬舎の精神力がスゴイ。ほんと不敬。まぁそんなこと気にしないんでしょうね。幻冬舎にモラルを求めても無駄でしょう。

『日本国紀』をめぐっては、内容の是非以前に、あまりにも多くの倫理的問題あります。保守という生き物の抱く価値観の程度というものが、よく解ります。

【付録】刷ごとに内容修正していいか問い合わせた結果

なんとアンチ『百田国紀』氏が、コッソリ改版問題について、日本図書コード管理センターに問い合わせたそうです。以下、その応答。

百田尚樹の『日本国紀』ISBNコードを変更しないまま、刷ごとに内容修正しまくっているんですけど、どうなっているんですか?

問い

お問合せありがとうございます、日本図書コード管理センターです。

増刷の場合、ISBNは変更してはいけないことになっています。

(刷りごとにISBNの変更はしてはいけません)

版の変更であるのでしたら、ISBNを変更していただく必要がありますが、発行出版者の判断が必要です。

当センター(日本図書コード管理センター)では、各出版者が発行した本の内容について検閲に当たるような作業は行っておりません。

このため、内容とコード使用についての関連性に関する指導は行えません。

内容に関するお問い合わせ(内容と、ISBNに関するお問い合わせ)でしたら、直接当該の出版社にお尋ねいただくよう、お願いいたします。

返答

だそうです。参考までに。

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3 件のコメント

  • 「アーカイブとしての書籍」や「書籍の為のアーカイブ」を蔑ろにして突き進むしかないのでしょうね…
    左派の歴史書がそんな事をしたら、国粋主義者に「反社会的」と指弾を被るにせよ。

  • 今から思えば1刷は正解ですね。剽窃探しと間違い探しの2度楽しめる、出版史上に残る超エンターテイメント本。ろだんさんの取説を付けて(1刷に限る)、是非高校の図書館に置きたい。日本の研究論文事情もよくなるし、歴史に興味を持った高校生による新たな発掘も…。と妄想は膨らむけど、もう売れなくなっちゃったんじゃ無理かなぁ。
    あっ、南京の発掘重い話ですが楽しんでいます。将来的には記録の少ない時代の日本がどうだったのか、当事者でない記録・少ない記録をどう扱うかにつながる研究と思います。興味深く読ませて頂いてます。無理せず続けて下さい。

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