【日本国紀】有本香氏「大手新聞社からの取材依頼も書評もない!」⇒え?毎日や朝日から取材依頼と書評が…。【Hanada, 2019.2】

不思議な日本国紀

発売から既に7刷55万部という大ベストセラーの百田尚樹『日本国紀』。

何とこの年末には安倍首相が本書をPRしてしまうなど、その勢い、留まるところを知りません。

しかしその識者などからの書評は芳しくないどころか、等閑に付されている状態。なにせ、無断転載が指摘されたり、それを指摘された著者や編集者が開き直ったりするなど、内容以前の倫理的問題が明らかになっていますから、良識ある人間がこれを評価することは難しいでしょう。

これを受けてか有本香氏が、『Hanada』(Hanada, 2019.2)に寄せている「香論乙駁」のなかで、次のように述べています。

発売から約一カ月で発行五十万部に達したが、未だに大手新聞や地上波テレビからの取材依頼も、書評もない。古代から平成までの日本通史を書いた五百ページを超える厚い本だから、ご多忙な大手メディアの皆様におかれては、読む時聞がとれないのかもしれない

え?朝日新聞の書評と、毎日新聞からの取材依頼は?

この有本氏の文章を一読してオカシイところは、すでに朝日新聞紙面上で、呉座勇一先生による書評が何回かに分けて発表されている事実を全く伝えていないところです。

そして毎日新聞では、秦郁彦氏と辻田真佐憲氏の評に加え、『日本国紀』における無断転載、事実誤認、コッソリ改版まで取り上げられています。

さらに、毎日新聞社は、幻冬舎および百田尚樹氏に対して取材を申し込んでいたそうです。

増刷で少しずつ「修正」
「日本国紀」は現在5刷まで出ているが、増刷した時に文中に出典を追加したり、誤りを正したりしているようだ。……
ただし、どの部分を修正したのか幻冬舎は公表しておらず、全容ははっきりしない。幻冬舎に修正した箇所や理由などについて取材を申し込んだが、期限までに回答はなかった。同時に同社に百田氏本人への取材も申し込んだが、こちらも期限までに回答がなかった。

これら朝日新聞と毎日新聞による評は、第5刷(45万部)以前のものですから、第6刷(50万部)を前提とした有本氏の文章以前のものです。故に有本氏はこれらをあえて無視していることになります。

まとめ

以上をまとめると次の点が指摘されます。

  • 有本香氏は、『日本国紀』に対する、大手新聞や地上波テレビからの取材依頼も、書評もないことを批判的に述べている。
  • しかし実際には、早い段階で朝日新聞紙上に呉座勇一先生からの、毎日新聞においては秦郁彦氏と辻田真佐憲氏からの書評が発表されている。
  • さらに、毎日新聞社は、幻冬舎と百田尚樹氏に対して取材依頼しているが、この事実をあえて無視している。

もしかしたら有本氏の理解によれば、憎き朝日新聞の書評は「書評」とは言わないのかもしれません。

そして『日本国紀』を批判するような書評は「書評」ではなく、当然、そのような取材依頼も「取材依頼」ではないのかもしれません。

自分たちを無条件に擁護してくれる信者サークルのなかだけで商売をしたい、批判は一切受け付けない。そんな有本氏の本音が見える一幕でした。

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4 件のコメント

  • ここまで杜撰さが明らかになった以上、大手新聞テレビが取上げるなら もはや「事故本」としてしか無理なのでは……。好意的に扱う可能性があるのは全国販売の地方紙(産経)ぐらいか?あとはDHCがめっちゃ金出した一社提供番組とか。

  • こんな食品偽装したような商品に有本香が喜ぶような書評が出るわけがないのに…最初は後ろめたい気持ちがあったんだろうけど、信者の全日が泣いたみたいなツイートだけ見てるから本当に良書なんだと勘違いしてしまったのかな?

  • その1
    有本さんの中では、朝日毎日は新聞ではない。

    その2
    修正前の第5刷までは日本国紀ではない。

    その3
    「朝御飯はまだ?」「さっき食べたでしょ」

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